音楽学者の小泉文夫は1977年に発表した「歌謡曲の音階構造」[注釈 7]において、四七抜き音階から二六抜き音階(エオリア短調)へ移行しつつあると指摘し、これを日本の伝統的音楽感覚、民謡音階の復活とみて、1970年代の歌謡曲における「ラドレミソラ」音階を「日本のうたの古層の出現」と評した[注釈 8]。 この小泉理論に対して佐藤良明は、世界的にロック音楽が浸透した結果、さらにロック音楽のルーツにあるジャズやブルースなどの黒人音楽の影響のもとに二六抜き音階の出現があるとしており、たとえば美空ひばりの「真赤な太陽」(1967年)には、日本伝来の民謡よりむしろアメリカ音楽の影響が強く、民謡の再現というよりも、ロック音楽としてみなすべきだとした