2021-01-31

言えない

幼い頃から「お兄ちゃん」がほしかった。優しくてカッコいい歳上の男の子にずっと憧れていた。

残念ながら僕に兄弟はいない。兄弟(お兄さん)がいる同級生がうらやましかった。

どこへ出かけても「カッコいいお兄さんいないかな」とばかり考えていて、「カッコいい男の子」を見つけては目で追っていた。

そうやって歳上の男の子を羨ましがりながら、自分も歳を重ねてそういう世界存在を知り、いつしか「ひょっとして僕はゲイなのかな」と思うようになった。

結局自分ゲイなのかよくわからない。そもそも色恋沙汰から縁遠いというか、彼女ができたこともない。告白したことはない/しようと思ったこともない。

ひょっとしたら女の子相手でも問題ないのかもしれない(無自覚高飛車発言スマソ)。

彼女いないの?」とか「好きな女の子タイプは?」とか「結婚まだ?」って聞かれると困る。男の子デートしたこともないのに女の子結婚だなんて。

そもそも僕は相手にする女の子男の子)を選べるほど優れた人間ではない。犯罪に染まってこそいないが、社会迷惑をかけてしかない自分存在意義など見出せないでいる。

男の子が好きだとは誰にも言っていない。もちろん親にも。幼い頃、母上には「お兄ちゃんがほしい、お兄ちゃんが好き」と言ったことはあったが、それが今に結びついているとは思っていないだろう。

今後もたぶん、誰にも言わない。

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