幼い頃から「お兄ちゃん」がほしかった。優しくてカッコいい歳上の男の子にずっと憧れていた。
残念ながら僕に兄弟はいない。兄弟(お兄さん)がいる同級生がうらやましかった。
どこへ出かけても「カッコいいお兄さんいないかな」とばかり考えていて、「カッコいい男の子」を見つけては目で追っていた。
そうやって歳上の男の子を羨ましがりながら、自分も歳を重ねてそういう世界の存在を知り、いつしか「ひょっとして僕はゲイなのかな」と思うようになった。
結局自分はゲイなのかよくわからない。そもそも色恋沙汰から縁遠いというか、彼女ができたこともない。告白したことはない/しようと思ったこともない。
ひょっとしたら女の子相手でも問題ないのかもしれない(無自覚高飛車発言スマソ)。
「彼女いないの?」とか「好きな女の子のタイプは?」とか「結婚まだ?」って聞かれると困る。男の子とデートしたこともないのに女の子と結婚だなんて。
そもそも僕は相手にする女の子(男の子)を選べるほど優れた人間ではない。犯罪に染まってこそいないが、社会に迷惑をかけてしかない自分に存在意義など見出せないでいる。
男の子が好きだとは誰にも言っていない。もちろん親にも。幼い頃、母上には「お兄ちゃんがほしい、お兄ちゃんが好き」と言ったことはあったが、それが今に結びついているとは思っていないだろう。
今後もたぶん、誰にも言わない。