自分が今まで仏教に触れてきていいなって思うところって、この世は生きている人のためにあるっていうのが大前提として成り立ってるところなんだよな。
死者には死者の世界があって、その中でよろしくやってるから生きている人は気にすることないよって考え方。
つまり、生きている人が死者のために犠牲になる必要はなくて、亡くなった人は生きている人が元気でいてくれることを一番に願っているよっていう考えが根底にある。
そのためにお葬式をして、ちゃんと送り出されたんだよってことを生きている人たちに見せるようになっている。
だから死者に失礼だとか言い出す人間は、むしろ死者をしっかりと送り出せてないし冒涜しているって言えてしまう。
そりゃそうだ。自分が死んだとき、自分が原因で家族の仲が悪くなったら最悪だよ。
そんなこと望んでないし、俺の死をお前らの都合のいい言い分に使うな!って死んでも死にきれなくなるよな。
だからこそ、生きている人たちにとってその死をどう解釈するのが一番よいのかって考え方が仏教には揃ってる。
それを知らないで死者に失礼!とか死者の代弁をしようとする奴は、死を自分の都合のいいように私物化しようとしているだけだって簡単に割り切れちゃうんだよな。
ここが仏教の一番すごいところだと思うよ。
信仰が薄れて形ばっかりが残ってしまうと揉め事も増えてくるんだろうけど、考え方の一つとして宗教を学んでおくことは割と大事だよな。