最近、どこのからあげ屋でもやってる水増し行為があるのを知っているだろうか。
もちもちの食感に騙されて鶏肉を噛んでいるつもりになっているが、それはグルテンだ。
鶏肉に細かく切れ目を入れて、その隙間に下味のついた衣を多めに流し込む。
そうするとモチのような食感が、からあげの肉の内側に作られる。
よく考えずに一口で食べると、まるで鶏肉を噛んでいるかのように錯覚するようになっているのだ。
わたしがそれに気がついたのは5年前。
からあげブームの真っ只中、一店舗だけやけに同じ価格なのにやけにでかいからあげを売り出す店ができた。
もちろん行列だ。
揚げればカラッとなり、熱だけならもちっとするグルテン状の衣だ。
騙された。
しかし、それに気がついてから、多くのからあげチェーンで同様の細工をしていることに気がついた。
中には、オープン当初は鶏肉の割合が多かったにも関わらず、訪れる度に割合が増えていった店もあった。
近頃、大手飲食チェーンが屋号替えをしたからあげ店もそうだった。
もともと原価がやすいし、もも肉とは食感が違うために採用されなかったのだろう。
それがわかってからはずっと胸肉を注文していた。
今日までは。
しかし、とうとう胸肉からあげにすら、グルテン衣の脅威が及んでしまった。
残念だ。残念で仕方がない。
水増しなしで見た目の量が少ない正直からあげ店はとっくに客足が遠のいて潰れてしまった。
騙す方も騙す方だが、騙される方も騙される方だ。
安くなくていいよ。うまいからあげが食べたい。ただそれだけなんだよ。
もうグルテンはやめてくれよ。
お薬ちゃんと飲んでくださいねー