2020-06-11

しかったのは『COVID-19の情報』ではなく『古き世界残照』だった。

 COVID-19の情報を得るために、何年振りかでSNSアクセスした人間は、少なから存在する。

の、だと思う。例えば、僕のような。

 僕と同時期にSNS復帰した人も(僕が観測できる範囲限定においても)わりといて、彼や彼女の、久しぶりのSNSに戸惑いながらの書き込みは、僕に共感と、現在SNSへの適応の手助けを齎してくれた。

 ここ数カ月間ずっと、僕は彼らの書き込みを通じてCOVID-19の情報を得ていた。

 僕と同時期のSNSに生きて、同時期に去って、同時期に復帰した彼らの書き込みは、翻訳だった。

 彼らの発する情報は、不思議と、古いSNSの生き物である僕にも受け取りやすい形になっていた。

 僕は貪るように彼らの発する情報を読んだ。

 そして、COVID-19の騒動はひと段落する様相を見せ、彼や彼女は一人、また一人とSNSから再び去っていった。

 僕の心にぽっかりと穴があいた。

 気づいた。

 

 僕が本当に欲しかったのは『COVID-19の情報』ではなく『古き世界残照』だった。

 僕は、『困難な時期を乗り切る情報』ではなく、『困難な時期を乗り切るための、過去の楽しかった記憶、それを想起させる媒介者』こそを求めていたのだ。

 彼らは、かつてSNSの輝きの残照を僕に与えてくれた。

 

 コロナ禍でSNSに一時復帰し、また立ち去っていく、立ち去っていった皆様へ。

 ありがとう

  • 残照だといまいち合ってなくない。ずいぶん長くSNSやってなかったのに残照なんて残ってないでしょ。夕方でなく真夜中レベルでしょ 残滓のが合ってないすか

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