眠い時の時間経過の体感速度は極めて速い。さっき日付が変わったと思ったのにもう朝だと思うことがある。一方、例えば生命の危機を感じるような瞬間に周囲の出来事がスローモーションになることがある。
これら二つのことから言えるのは、人はその時の脳の処理速度に合わせて主観的な時間経過の速度が変わるということだ。処理速度が速い時は時間経過はゆっくりに感じる。処理速度が遅くなるほど時間経過は速く感じられる。言い換えれば、同じ客観的1時間でも体験の密度が違うことになる。前者の方が「充実した」客観的1時間であると言えそうだ。
ということは、頭がしゃっきりしている時、人生なら若い頃、一日なら起きてからの数時間。これをいかに重要な事柄の遂行に振り向けるかが人生を充実させる一つの秘訣なのではないだろうか。また、自分を適応可能な程度に危機的な状況に追い立てるなどすれば頭の処理速度は上がるだろうから、敢えてそうすることも一つの方法だ。集中力を高めるトレーニングなども試してみると良いのかもしれない。