朝、車内は隣の人と体が触れ合わないものの身動きをとるのはちょっと厳しい程度の混み具合。
入ってきたドアに背を向ける形で立つ。発車前にもう数人乗り込んで来て、自分の後ろに2、3人居る形になった。
手の甲が何度か揺れるようにお尻に触れて、ああ狭いから触れたのかなと思っているうちに、さする手の動きがだんだんと尻の形に沿うようになって、いつのまにか揉むような動きになって、とうとう股の方にまで指先を伸ばしてきた。
あ、これ痴漢だ…?
満員電車での痴漢か痴漢じゃ無いかの線引きは難しい。私も以前、前にいるお姉さんのお尻にカバンを押し当ててしまって、怪訝そうな顔で振り返られたことがある。またその逆にお尻にしょっちゅうカバンがぶつかるので振り返ったらお姉さんだったこともある。満員電車での触れ合いは茶飯事だ。
これは流石に痴漢だ!とジャッジを下した所で降車駅になり、なんかどうでもよくなり降りることにした。
最後降りる前に顔を確認してやろう、と振り返ると後ろに立っていたのは髪の明るい青年だった。たぶん、私と歳がプラマイ3歳以内の…。ええ…。
なんとなく、こういうのは普通の、それも若い男の人はやらないものだと思ってたので面食らった。
今まで地元で遭遇した痴漢がスーツのおじさんだったってのもあるけど、何かこう疲れたサラリーマンがストレス解消にやるものだと思ってた。
若い、髪の明るい普通そうな男の人なら他にいくらでも欲望のはけ口があるんじゃないの、とも。
にゃーん。