2019-01-15

増田を拾った

 増田を拾った。

 とてもブサイクだった。いや、ブサイクという範疇には収まらない。美醜という物差しは使えない。もっとおぞましい何かだ。皮膚は茶色の粘液で覆われている。全身ぶよぶよだ。ぐじゅぐじゅでねちょねちょだ。下水で腐敗した死体臭いがする。おまけに髪も薄い。ハゲだ。手足はない。ガスが溜まっているのか、体の所々が不自然に膨らんでいる。目玉は今にも垂れ落ちそうである視線は虚空の蝶を追いかけている。大きく裂かれた割れ目がおそらく口であり、そこからは声ではなく、常軌を逸した臭いのガスが噴出される。小動物なら死に至るだろう。耳も鼻もなく落ち窪んでいる。その奥から得体の知れない狂気ときおり顔を覗かせる。

 むごたらしい肉塊である材料ケチって失敗した人体錬成のようであるしかし、これは偶然生まれるような増田ではない。明確な悪意がある。人類への憎悪であり、生への冒涜である

 一刻も早く、この増田処分しなくては。

 びぶりゅりゅう、増田が尻から茶緑のジェル状汚物吹き出した。

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