年度末、仕事納めの日に出前を取る事になった。
最後の方になってようやく回覧される。この時点で付近の席の人達は全員寿司を記入していた。
どうやら周囲と相談して同じ物を食べようと決めているらしい。
自分は臨時職員だ。同じ物が食べられるとは限らず、話の輪に割って入れなかった。
きっとそれが澄ました顔をしている自分本位の人間に見えたのだろう。
当日になって、周囲と自分が違う物を食べている事を暗に指摘された。
たった1年早く着任していただけで「アレって匂いがキツイよねw」とコソコソ話す職員達。
以前務めていた会社では、同じ鍋をつついて食べていた。各々が好きな物を選んでいる筈なのに、そして自分と同じ物を食べている人は同じフロアにもいるのにも関わらずそういう態度を取る人がいる事に呆れ返った。出来るなら私もメニューの変更を申し出ようとした。だがそのチャンスには恵まれたものの上手くはいかない。プライドが邪魔をした。
そもそも自分が好きな物を選ぶ権利があるのは当然で、例えそれが特徴的だとしても他人にとやかく言われる筋合いなどない筈。マイペースだとかそういうレッテルに怯えずに生きていきたい。これは意志というより希望だ。