今の社会でスタンダードとなっている恋愛の形態は、容姿の冴えない男が美人な女を手に入れると言うストーリーだ。冴えない男は経済力なり男らしさなりの裏付けを持って、美人な女にアタックし、二人は晴れて恋人同士となる。これが下位の男と上位の女が作り出している正規の恋愛市場だ。しかし、そのような価値観が主流になっている社会では、女のブスと美男子にとっては肩身が狭い。
女のブスにとっては、ブスに生まれた時点でこの正規の恋愛市場に参入することは不可能だ。そして美男子にとっては、そもそも自分は何もしなくてもモテるのに、なぜ自分から女にアタックしなければいけないんだと、美人としてのプライドをひどく傷つけられる。ブスが常に卑屈な気持ちになっているのに対し、美男子は上記の正規の恋愛市場そのものを憎悪しているのだ。
だからこそ、表題の通りの「裏」恋愛市場である。ブスと美男子は、世の中から無視されている者同士として非常に馬が合う。ブスにとっては、美男子は自分にない美貌を持っている者であり、何としても自分のものにしたがる。美男子にとっては、自分を求めてくれるブスは、自分自身の自尊心を満たしてくれるのだ。今の世の中で一番の勝者は、普段から底辺だ最下層だと蔑まれている女のブスなのかもしれない。
またお前か