母から離婚をすると言われたのが自分が20歳ごろのこと。たくさん泣いた。でも止める気にはならなかった。理由はわかっていたから。父からは一度も面と向かって言われなかった。
数年たって自分は就職して家を出て、その後運良く縁があり結婚した。戸籍謄本を手に入れたその時に気付いた。両親はデキ婚だった。そして自分は初子。今まで知らせないとはいい度胸だ、と思いつつもそれまでの苦労を考えるとそんな考えは一瞬で吹き飛んだ。
戸籍謄本でもう一つ知ったことがあった。離婚を告げられた時に両親は別居状態だったが、実際に離婚したのは自分が就職してからだった。こういうところが律儀な母らしいところだ。
そんな母が実家に戻って平和な生活してるかと思いきや、しょっちゅう親子喧嘩をしてるらしい。高齢の祖父が運転免許を返納しないからだとか。改めて一人暮らしをしようか考えてると相談された。大いに結構じゃないかと話した。
人生の半分以上を息苦しく生きてたのではないか。とまでは言えなかったが、折角なんでもできる時なんだから自由に周りを気にせずやりたいことをやりなよと伝えた。子が親に言うことかと思いつつも、自分の気持ちを伝えた。
よっぽど特別なことがない限り、自分より母の方が先にこの世から去る。だからこそ、やっと自由な今だからこそ、我慢せず、好きなことをしてくれ。このままじゃ自分の方がよっぽど人生楽しんじゃってるぞ。