2017-03-03

線香

線香が大大大嫌いである。

臭いも大嫌いだが、臭いがなかなか取れないことや、煙で部屋が汚れるのも嫌いである。

祖父祖母葬儀法事で家の中が線香の臭いで充満し、息ができず、眠れないこともあった。

初め、母から理解されなかったが、徐々に受け入れられ、線香は有事の時分のみの使用となった。

そんな私が嫁いだ先は、毎日3度線香をあげる家であった。

勿論、四十九日はとうに過ぎているのだが、なぜか毎日の習慣になっている。

しかも、仏間が居間と近いうえ、食事時間に線香をあげる。

その上、家族の月命日にはお坊さんが来て特別なにおいのする線香をあげてゆく(参加は必須)。

嫁入り当初は本当に耐えられず、居るだけで死ぬような想いをしていたが、

毎日いるうちに服につく匂いもその匂い中食べるご飯にも慣れてきた。

だが、今日お下がりのご飯を自分のお弁当に入れてしまった。

梅で誤魔化したのできっと大丈夫だろうと、つめた際には安請け合いしたが、

なんとも言えない線香の味が口の中に広がっている。

線香が苦手である事実墓場まで持ってゆくつもりだが、なぜなぜどうして、仏は私にこのような苦行を強いるのか。

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