2016-10-20

いま自分が暮らす現実ではない場所にいる自分を感じる。というよりは、見えることがある。

映画のシーンのように頭に浮かぶ。

映像や音、寒さ・暑さやにおいを伴うこともある。

ストーリーと呼べるようなものはない。

せいぜい、たとえば夕暮れの線路沿いを歩いている、薄暗くてひんやりとした雑居ビル階段をのぼっていく……などその程度で他人は出てこず、それゆえセリフもない。

現実にはその場所へ行ったことはない。

そのシーンが現れると、私は基本的に好ましい感情を抱く。

あこがれを感じ、切なさ、なつかしさもある。

私は一連のこれらを「ここではないどこか」と呼ぶ。

それは突然、現れる。唐突なのだ

そして頭に映像が浮かんでいる何十秒かの間じっとして味わう。

消えたときにはさびしいが、またすぐに来るよと思っていた。

「ここではないどこか」に実際に行ってみたい、あん場所暮らしたいというのが、私が何度か繰り返した引越し動機になった。

でも、ある時から映像が現れなくなった。もう5年くらいたつだろうか。

これまでに見た映画映像漫画小説をまぜこぜにして脳がつくった幻影なのだろうが、インプットは続けているにも関わらず、現れない。

以前は季節の変わり目に現れることが多かったので、最近期待しているのだけれど。

老化かな。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん