もう12年近く前になると思うが、「釣りバカ日誌」がアニメがやっていた。
僕の家はビッグコミックとオリジナルをずっと買っていて、僕もわからず漫画という事で読んでいたので、「釣りバカ」を家族みんなで夕飯時に見られるのが楽しかった。
アニメになって印象的だったのが、ハマちゃんがやらかして、佐々木さんが思わずトイレに駆け込んで胃薬を飲むという一連の流れだった。
僕はそれが全く理解出来なかった。学生だった自分にはストレスを感じる事自体はもちろん、胃が痛くなるという経験すらなかったし、父も母も胃薬を飲むシーンはほとんどなかった。
だから胃薬を飲む事自体が創作の中で大げさに何かを表現する時の出来事の一例だと思っていたのだ。(驚くと目玉が飛び出るのと同じだ)
大人になって仕事をするようになってしばらくすると僕は逆流性食道炎を患い、胃酸を抑える薬を常に持ち歩くようになってしまった。
もどすような咳をして、個装になった粉薬を飲む。飲むたびに医者に「逆流性食道炎は花粉症みたいなもので、対処療法しかないんだよね」と言われたことを思い出す。
僕はハマちゃんにもあるいは山口六平太のようになることも、かといってC級さらりーまんになることも出来ずに、今日も胃酸を抑える薬を飲む。
寝る前に飲む薬は錠剤で、効き目の少し強いやつだ。