2016-03-07

風呂に殺される

日頃かく汗といったら冷や汗ばかりの私が唯一健康的な汗を流すことが出来る行為が入浴だ。

毎日44度のお湯に1時間近く浸かっている。アチチなお湯だと思われるかもしれないが、家賃5万円のアパートユニットバスでの44度は保温してくれないし、あっという間にぬるくなる。あっついのは最初10分間だけ。

尋常じゃないほどの汗を首から上にかきながら本を読んだり音楽を聞いたりしていると、たまに上がるタイミングを逸することがある。

本や音楽がいい感じに盛り上がってきて、ここで中断するのは惜しいと思ってしまう時だ。

こんな時、私は死を覚悟する。既にお湯はぬるくなっている。少し寒さを感じるほどだ。

それでも風呂から上がれない。脳みそがそれを許さない。正直なところ身体はだるい風邪を引く。こじらせる。死ぬ……かもしれない。

このことを友人に話すと馬鹿にされるが、「007は二度死ぬが、俺は毎日死にかける」とわけのわからないことを言って反論したつもりになっている。

最近はこのスリルがクセになってきた。トランス状態とでも言うのか。万引きをやめられない主婦ロッククライマー気持ちがわかった気がする。

ぬるいお湯に浸かりながら。

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