隣人といっても、田舎なので一戸建てなのだが、
ひとつしたの増田くんが引きこもりになっている。
小さいころは一緒に遊んだりしたけど、
彼が遠くの進学校へ通いだしてから疎遠になってきた。
なんでも国立大学の法学部を目指していたらしい。
お父さんがなれなかった弁護士を目指しているというのは、
母伝いで聞いた。
結局受験に失敗し、そこそこの私立大の法学部へ行き、
司法試験も落ち続けて、そのうち受けなくなって15年ぐらいになる。
増田くんは毎日13時ごろ起きる。
それから軽くのびをしてからPCに向かっている。
何かのネットゲーにハマっているらしいが、
課金できる身分ではないのでだらだらプレイしているだけのようだ。
そういうボクは朝からずっと彼のことを監視している。
時々増田にブクマをつける。
引きこもっている彼を見るとなぜだか心が落ち着くのと、
あそこまでは落ちたくはないという気持ちになれる。
宅配業者が来ると、ちょっとビクッとして見つからないように息を潜めてしまう。
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