2015-11-12

目覚ましが鳴りそうで鳴らない。起きそうだけどハッキリと目が開かない。そんな夢と現実の境目でふと、あの人の事を考えていた。

すぐに飛躍したがる私の脳内は、ぼんやりとした微睡みの中であの人は一体どんな風にキスをするのだろうと考えた。

身長が高いから少し屈むのだろうか それとも首を下に下げて覗き込むようにキスをするのだろうか

そしてキスが終わった後は恥ずかしそうに、真っ白なお肌で縁取られた顔を紅くして笑うのだろうか

その笑顔想像する。クシャッと笑う顔に胸がギュッと苦しくなった。

あの人がふふふ、と目尻を垂れ下げて笑う顔はまるで子供みたいで、あどけない。耳に届く声は男らしくて低い。そのギャップに胸がドキドキと高鳴る。

周りの人に、あの人ってよく笑うよね、癒し系だよね と話してみても、そう?あんまり笑わないよ。話さないし知らないよ

って言われてしまった。

そんな話を聞いてしまったら、まるで私が普段あの人の前で可笑しな事をしているみたいじゃないか。確かに挙動不審だけれど、そこまでだとは思う……普通に、働いているだけだし。

次のシフトで、持ち場は違うけれど、あの人も出勤だと知って今からテンションが上がる。何か話せるかな、次は年齢を聞けるかな

キドキ、ドキドキ、ドキドキ。

笑ってる顔が見れたらいいなぁ。あわよくば私とのコミュニケーションで笑ってくれたらその日は言う事なしだなぁ、と思う。

割とすぐに笑ってくれるけど、どうだろう。なんて、そんな事ばっかり考えて年甲斐もなくドキドキ、ウキウキしてる、

あ、そうだ私、既婚者じゃない。何を言ってるんだか、考えているんだか。

今この考えてる事も、ドキドキも、ウキウキも。そっか、ただの夢の話なのかもしれないな。でなきゃこんな事あって言い訳ない、もうすぐ晩ご飯の支度をしてあげなくちゃ。

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