とりあえずそれで悩んで遅刻してもアレなので、体操着と筆箱とノートをかたっぱしからかばんに詰めこんで車に乗った。
運転手は母ではなく、なぜか亡くなったはずの父に変わった。カバンが重い。
行き先は多分学校である。めちゃくちゃ運転が荒い。何度もぶつかりそうになる。
後ろの席から母が声をかける。「ここからじゃいけないんじゃない?」
俺と父が返す。「いや、ここからでもいけるんだよ」
俺はよくわからないけど、いけることを知っていた。
しばらくして、荘厳な建物についた。
めちゃくちゃ運転が荒かったので、扉の10センチほど手前で止まる。ギリギリだ。
しかし、ちょうど向こうの人が扉をあけて車にぶつかる。「コツン」
父は確認する。「ここですか?」なにがここなのかはよくしらないが、「そうです。車ぶつけちゃいました。大丈夫ですか?」
自分は忘れ物がないか最後の確認を何度もして、数分遅れて屋敷に向かう。
ここのお焼香は少しかわっている。いや、焼香ではなく、矢のような棒を折って、それを灰箱?にいれるみたいなやつ。
矢には3種類あって、小さいやつと、大きいやつ。それぞれおしりに黒と茶色と赤の丸がついてた。
ランクごとにわけられていて、折り方もランクによって二つ折りか3つ折かちがうようだった。
俺はよくわからず、前に並んでいる人もいなかったので、しばし道具を眺めていたが、列席から罵声が飛ぶ。
「はやくその黒いやつを使え!」
亡くなったはずの祖父からの罵声であった。言うとおりにそれを3本手に取り、2つ折りにして灰箱にいれる。
「おまえは誰にそうやって教育されたんだ!」
元基準氏が......。