2015-06-11

以下妄想

繁華街の道端でボーっとしていた昼下り、気になる女の子がいた。

こちらに背を向けて歩いていたので、顔は見えない。

ツインテール制服に腰巻きカーディガン、そして目をひく左手首の包帯は特徴的だが、日曜の繁華街においてはそう目立つ格好ではない。

手首のそれはファッションなのか、それとも本物なのか、メンがヘラっていない私には判別できない。

なんとなく、いわゆるオタサーの姫に適正がありそうだな、と思った。

気が向いたので尾行してみることにした。

10mほど間隔を開け、速度を合わせ、間に人を挟んで歩く。

意外と人間視線に敏感らしいので、視線彼女だけに集中しないことに気をつける。

後をつける道中、考えることはもちろん目の前の彼女のことだ。

1人のようだが友達はいるのか、何が目的繁華街にいるのか、何故日曜に制服を来ているのか、手首の包帯の下はどうなっているのか、答えを勝手想像しては1人ほくそ笑む。

声をかけて答えを聞くという手段もあるが、路上でのナンパ成功した試しがない。お天道様の下では下卑た考えがよく伝わるのだろう。

尾行の結果は面白くないことに、彼女は真っ直ぐ駅に向かって歩いていき、そのまま改札を通過した。つまらないな。

満たされるものは少なかったが、暇つぶしに付きあってくれた彼女への感謝気持ちを胸に抱き、こちらも帰路についた。

そういえば、結局最後まで顔を見られなかったな。

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