志賀島の海沿いを流している。
小太りな体系を日々馬鹿にされている彼にとって、
愛車のインパルスにまたがることこそが、
ケンジは沸き出る怒りを抑えながら、
なるべく優しく注意した。
「どいてくれないか」
意に介せずというふうに、何も答えず、黙ってハンドルを握り締めていた。
そしてケンジの方に向き直り、口を開いた。
ケンジは愛車を否定されたことに憤怒し、
肉付きの良い顔を真っ赤にしながらニューハーフを睨み付けた。
左手で胸を隠した。
垂れ下がるタマネギのような玉袋と、
「天」を向いた肉棒が、あらわになった。
「吹かしてみるかい?」
自分の肉棒へと誘導した。
温かい。
何という握り心地だろう。
最高の「アクセル」が、そこにあった。