僕はこの曲を聴いて二回泣いて、一回吐いた。
まず、一度目の涙は短絡的である。
働こう 働こう
別にどうでもいい、これで泣くなら泣けばいい。
ただ、しっかりと歌詞を読みながら聞いたら、
ももクロはとんでもないことを歌っているのではという思いが強くなった。
それなら二回目の涙をなかった、
むしろ頑張って働こうとさえ思うかもしれない。
働いていれば、上司か取引先かわからないが、不条理を感じるときもあるだろう。
それでもなにクソと頑張ろう、働くことで生じる不条理さに立ち向かおう。
こういう曲であれば普通に受け止められただろう。
この曲の作詞の大槻ケンヂはエッセイで「ヨギナクサレ」の雰囲気を
求められたと書いている。
http://www.red-hot.ne.jp/o-ken_esy/111031.php
「ヨギナクサレ」は、労働者が
無理かもしれないけど不条理に立ち向かうことを余儀なくされせざるをえないという歌だ。
「なんで働くかなんてわからない」ということが前提として歌われている。
だけど何のために、人は働くの?人に使われたら 負けなんじゃないか?
難しいことは掘り下げないとさ、わっかんないんだけどね
(中略)
働くと 働くと 君に会う時うれしいし
働くと 働くと 君の笑顔が見れるし
やっぱ働く意味なんてないんだ。むせび泣いた。
労働の喜びを今こそ歌おうぜ!
全員で叫べば見えるかも知れないぜ!
である。完全に見えないといっているように聞こえる。
「ヨギナクサレ」では鬱屈や閉塞だったのに、
これはもはや絶望を歌っているように聞こえる。
泣きながら吐いた。
働くこと、頑張ることの意味が一般的に言われていることと
別にいい、働く人にはわかっていることだ。
ただそれを大好きなアイドルが歌うなんて惨すぎるだろ。