聞いた話で申し訳ないけど、福島の人たちは、毎日、放射線量の数値の高さを気にしている。
でも、自然界の放射線量を超えることは無い。なのに、テレビなどの牛の全頭検査の是非を問う報道や、野菜の出荷制限、原発の一向に良くならないニュースにうんざりしている。
すでに出て行った人を嫉むわけではないけど、口からは愚痴に近い文句しか出てこない節がある。
県外から訪問者が来ると暖かく向かえて、ほとんどあきらめに近い感情を吐露してくるという。
外部の人間はわかってあげられることはできても、物資が不足しているわけでも無く、マンパワーが足りないわけでも無いこの土地に、具体的に何もしてあげられない、そういうもどかしさを感じるという。
福島の人たちは、復興は進んでいるけども、本心ではどこかへ逃げたい、福島から離れたいと思っているのではないか。
一方、農家の方は、具体的な対策を講じて、食べ物の流通の安全品質を命がけで守っている。
具体的な対策とは、実がなると枝がしなって地面に着くので、支柱を多めに設置して地面に着かないようにしたり、果実が落ちないように早めに収穫したり、自分が歩く地面にブルーシートを敷いて地面から放射性物質の付着を防いだり。