2022-08-07

内向的人間を愛したい

茹だるような暑さにも体が慣れ始めた8月上旬入道雲が空に浮かび照りつける太陽が瞳を焦がす季節に今年もなった。

映える緑を遠くに見ながら、今日飛行機に揺られ遠方の目的地を目指している。

これだけ技術進歩した令和の時代でも、飛行機の中は電波が無いことが多く、機能制限されたスマホを皆手に持ちながら思い思いの時間を過ごしている。

初めはワクワクしながら窓に映る景色を眺めながらまだ見ぬ地に想いを馳せたりしたものだが、遠方の営業先へ向かうために日常的に飛行機に乗っているとそうした感動も当たり前のように薄れていく。

手持ち無沙汰なこの時間を、私はこうして文章を起こしてみたりしながら自分と向き合うために使っている。自らの魂に語りかけるかのように、丁寧に過去自分を紐解いていく。

過去を見つめ直すことは、夜の飛行機の窓に映る暗闇を眺めることに似ている。

人は皆死に向かって歩みを進めていく。生きとし生けるもの全てに等しく与えられるその瞬間に向かってもうただの一歩も歩けなくなるまで、前に進んでいくしかない。

挫折を味わう度に後ろばかり見て立ち止まっていた10代や20代の頃と比べると、随分と精神も安定し魂も磨き上げられた。

高く大きな壁が眼前に聳えたとうとも時に乗り越え、時に周り道をして、時に壁に穴を開けて壁を越える手段を身につけてきた。

ただどうしたって過去や弱かった自分と向き合う時間は私にとって必要だ。今この瞬間は、未来へ繋がっているのと同時に過去から歩みを進めてきた結果に他ならないからだ。

きっと私という人間の器はその工程を重ねていかなければ大きくならなかったのであろう。

過去のことばかり考えていることを、また内向的人間であることを、人に笑われたっていい。自分の弱みと向き合った時間が長い分、きっとそいつよりも遥かに自分という人間のことを理解しているはずだから

根暗だったり、隠キャだったりすることはハンデにはならない。内向的である自分を愛せるようになった方が良い。

クヨクヨ悩んでも仕方がないことは山のようにある。きっとこれから先も失敗したり、自分が嫌になったりすることはたくさんあるだろう。

ただ、後悔だけはしないようにしたい。

数手先の未来を考えることはできなくても、次の一手のことを全力で考えていける人間でありたいと思っている。

そういえば、夜の飛行機から見る窓の景色は何も暗闇ばかりじゃない。着陸する空港に向かって高度を下げ始めたときに眼下に映る、あのキラキラした街々の光は何回見ても最高だ。

この文章を15年前の根暗人間であった自分に捧ぐ。

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