2019-10-14

千曲川破堤氾濫について、八ッ場ダムとか脱ダム宣言がどうとかTwitterであれこれ言われているので、素人だけど個人的に整理してみた。

まず地理関係千曲川の流れは、氾濫がおきた上田市から千曲市を通り、長野市に来る。ここで上高地梓川の流れを汲み、松本方面から来る犀川と合流する。犀川千曲川との合流手前で長野北側山地を源流とする裾花川と合流する。千曲川犀川合流地点の先で今回の破堤氾濫が起きた。その下流浅川と合流する。浅川の上流で脱ダム宣言話題となった浅川ダムがある。浅川ダムは最終的に完成しているが、穴あきダムとして一定流量以上にならないようにする機能のみ有する(貯めたり放流したりあれこれ操作することは想定されていない。)。

まとめると、上田市千曲市犀川合流地点→穂保地区破堤地点)→浅川合流地点

次に降水量や流量関係千曲川流域の東北地域はかなりの降水量があった。上流部の軽井沢菅平あたりが特に多い。

https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/pre_rct/alltable/pre24h00.html#a48

上田市千曲市でも氾濫が起きており、犀川合流前の観測点ですでに氾濫危険水位を大きく超過している。

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=400500&mode=60&last=0&page=78&obsp=21545_4_3&etim=2019-10-13-12-00

犀川の影響をみてみると、千曲川との合流前の観測地点は破堤氾濫があった13日未明に氾濫注意水位になった程度で、そこまで流量は多くない。

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=400500&mode=60&last=0&page=84&obsp=21545_4_10&etim=2019-10-13-08-00

花川観測点では氾濫注意水位に届いていない。長野地域は累積雨量は多いが1時間雨量が突出しておらず急激な流量増加はなかったようである

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=400500&mode=60&last=0&page=43&obsp=2001_4_94&etim=2019-10-13-08-00

浅川を上流からみてみる。浅川の源流は裾花川に近い。浅川ダムは少し水位が上がった程度。

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=700500&mode=60&last=0&page=14&obsp=2001_7_14&etim=2019-10-13-12-00

浅川ダム下流観測点。氾濫注意水位には達していない。

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=400500&mode=60&last=0&page=38&obsp=2001_4_67&etim=2019-10-13-08-00

浅川の終末、千曲川合流地点破滅している。長野市ホームページでも内水氾濫情報千曲川破堤とほぼ同じ13日未明に出ている。これは千曲川の水位が高いと浅川に逆流する地形となっており、ポンプ排水が追い付かなければ浅川の水の行き場がなくなるという事情がある。

http://www.sabo-nagano.jp/dps/disp?disp=400500&mode=60&last=0&page=32&obsp=2001_4_61&etim=2019-10-13-08-00

ここまでを整理すると、今回の氾濫は単純に千曲川本流の流量が多かったというのが大きそうである。脱ダム対象となった浅川ダムは、上のとおり浅川流量を調整して浅川自体の外水氾濫の危険対処するものである千曲川との合流地点内水氾濫はまた別に対策が考えられているが、これを読む限り根本的な解決策を出すのは難しいように感じる。

https://www.pref.nagano.lg.jp/kasen/infra/kasen/keikaku/asakawanaisui/keikaku.html

最後管理主体について、千曲川本流の管理は国である八ッ場ダムも国である)。千曲川本流のダム計画は脱ダム宣言より前に頓挫しているようである。県が管理する支流ダム計画のあれこれはあまり関係なさそうである

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