2019-06-02

ドラッグストア業界統合から見える物凄いドロドロ感

ドラッグストア統合再編の話が新聞掲載されている。

4月マツモトキヨシココカラファイン提携を進めると発表し

6月ココカラファインスギ薬局提携を進めると発表した。

4月マツキヨとココカラが提携を発表したときは、単なる提携話で、

くっと勢力の強いマツキヨイニシアチブを取るんだろうなくらいにしか思われない。

ただ、ここに来てココカラがスギ薬局提携するなどと発表したことで、

実はこの提携話、裏では各社の非常にドロドロとした思惑が隠れているのではないかと思い始めた。

この話を深読みしていくと、非常に面白い





以下は妄想だ。





経営統合すれば、当然、経営における各社の主導権争いとなるし、

ブランド統合の話も出てくるだろう。

マツキヨとココカラが提携するという、マツキヨvsココカラという話で見たとき

規模も売上高マツキヨ>ココカである

まり単純に考えれば、この2社であれば、ココカラはマツキヨ統合される。

この提携話が出たのは4/26のことだ。

この時点では非常に単純な話だ。

しかし6/1になって、ココカラはスギ薬局提携を進めるとも発表する。

この話は当初からスギ薬局が持ちかけていたらしい。

店舗数こそココカラ>スギ薬局だが、売上高スギ薬局>ココカである

スギ薬局の思惑はこうだろう。

・ココカラを吸収すれば、マツキヨもさることながら、他のHDにも圧倒的に勝てる。

・ココカラとの業務提携は、売上高が大きいスギ薬局が主導権を取れるはずだ。

おそらくこんな思惑でココカラと業務提携の話を水面下で進めていたに違いない。

コカラとマツキヨ提携話が出る以前からである

しかし、4/26にココカラはマツキヨとの提携を進めると発表する。

コカラとマツキヨ提携するとどうなるか。その売上高スギ薬局を遥かに超える。

当然、スギ薬局が進めようとしていた提携話で、スギ薬局が主導権を取ることはなくなるだろう。

しかし、ココカラとマツキヨ提携では、マツキヨのほうが売上高が高い。

まりこの両者の提携話で主導権を取るのは、ココカラではなく、マツキヨだろう。

そうなればココカラは、スギ薬局との提携で主導権を取るどころの話ではなくなる。

そもそもブランドがなくなりかねないからだ。

スギ薬局は、ココカラとマツキヨ提携話が出たことで慌てた。

6/1に発表されたココカラのプレスリリースを読むと、ココカラとマツキヨ提携話が表に出た

翌日に、スギ薬局から正式提携話があったという。

このことからスギ薬局の慌てっぷりが目に見えるだろう。

それもそのはず、スギ薬局としては、マツキヨより先にココカラと提携してしまわないと、

主導権を取れず、業界トップシェアに行くことはもはやできなくなる。

おそらく、マツキヨはココカラとスギ薬局提携を進めようとしていることを知らず、

スギ薬局は、ココカラとマツキヨ提携を進めようとしていることを知らなかった。

両方から提携話が来ていたココカラは、これらの打診をうまく利用することにしたのではないか

コカラはマツキヨに対し、スギ薬局提携を進めることを利用し、提携後の主導権を取りに行き、

スギ薬局に対しては、マツキヨ提携を進めることを利用し、同じく主導権を取りに行ったのだ。

上記物語るのは、この提携話が「3社提携ではない」ことである

この話は、あくまでもココカラが両者との提携を進めると言っているに過ぎず、3者が協力するという話は

一言も書かれていない。

マツキヨは、おそらくココカラと提携して、マツキヨブランド日本一にすべく動いていただろう。

しかしココカラは、裏で進んでいたスギ薬局との提携を利用し、マツキヨを脅しにかかったのではないか

「先にスギ薬局提携してしまえば、うちの方がでかくなりますよね」と。

コカラのプレスリリースでは、スギ薬局提携を持ちかけてきたとある

個々からが持ちかけたのではなく、スギ薬局側が言ってきたのだから、という体なら話もしやすいだろう。

これでマツキヨ・ココカ連合の主導権は、現時点で最も売上高が大きいマツキヨではなく、

コカラが握り返す可能性が出てきただろう。





・・・として締めくくりたいが、まだこの話は終わらない。





コカラがマツキヨとの主導権争いに勝つには、条件がある。

・先にスギ薬局提携

さらに、スギ薬局との提携で主導権を取る

この2つの条件をクリアしなければならない。

しかし、スギ薬局とココカラは、前述の通り売上高スギ薬局>ココカラであり、

スギ薬局の方が強いのだ。





スギ薬局もまた、ココカラとマツキヨ提携話を利用し、覇権を取りに来ているのだ。





コカラとマツキヨ提携話が出た後の、スギ薬局の思惑としてはこうだろう。

・ココカラとマツキヨ提携する前に、何としてでもココカラとの提携を成立させる

・ココカラとの提携は、売上高が大きいスギ薬局の方が有利に進めるはず




コカラとしては、前述の話からしても、マツキヨに吸収されまいと、スギ薬局提案に乗るしかないのだ。

スギ薬局はそこをうまく利用した。そして今回の発表だ。




実はこの勝負、最も頭が切れているのはスギ薬局なのかもしれない。




売上高で見れば、マツキヨスギ薬局>ココカラ である

だが一番大きなところが主導権を取る、という単純な話で終わらなさそうなのが、この話の面白いところだ。

消費者利便性というものは頭の片隅にもなく、非常にドロドロとした覇権争いなのだ

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