親が経済的に大失敗して、サイバラの漫画に出てくるような「一家心中3分前」みたいな状態に陥ったのだが、
運だったり授業料免除だったりバイト掛け持ちだったり、人の好意にすがるなどしてなんとかサバイブした育ち。
転職に失敗したこともあったけれど、おかげさまでなんとか普通の会社員として生きてこれました。
家庭は持たず、寂しい気持ちになったこともあったものの、まあまあ幸せ。
加齢でオタク心が薄れてむなしい、と感じるような事態にもいまのところ陥っていません。
人には別の理由を言ってきたけれど、実は家庭を持たなかったのは、他の人間と家計をともにするのがどうしても怖かったから。
だって思い出すんですよ。いまだに。30年とか経ってるのに。
階下で毎晩怒鳴りあう両親の声を遠くに聞きながら眠る恐怖。
何か明らかによくないことが進行しているのに、誰も教えてくれない、聞いてもはぐらかされる恐怖。
子供だからよけいなことは知らなくていい、と言う人達は、目隠しされて地獄に連れていかれることがどんなに怖いか知っているのか。
だから自分ひとりで稼いで自分ひとりで使う生活を選びました。自分以外の他人は信じられない。
どんなにいいことを言っていても、人格者みたいなふりをしていても、貧窮すると、人は必ず豹変する。
だってうちの親もその親戚も、うちの親と相互に保証人になっていた人もその親も、
みんなみんな自分が、自分ひとりが生き残るためにひどいことをしたから。
いや世間の大部分の人にはこういったことはきっと起こらないんだと思うのですが。