真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。
本当だ。
今日び異種姦なんぞ嗜好としては珍しくないがな。
私がそれを知ったのは実のところ最近で、ビデオ屋で店長と話をしていたときのことだ。
確かそのときは、男性がレイプされてイってしまった場合は和姦扱いになるという話をしていた。
そこで働いていた友人は、私と店長の話題には加わることはなく、目の前のビデオ「辛い」というタイトルが「ツラい」なのか「カラい」なのかで棚のどこに並べるか悩んでいた。
恐ろしくマイナーなようで検索しても辞書系のサイトしか出てこなくて困っていた様子だった。
店長との会話もそこそこに、友人に「中身をみてみたらヒントがあるのでは?」と言ったら、友人は勘違いをして上映会を始めた。
私と店長もタイミングを掴みそこねていたが、何の気なしに観ていたそのビデオの内容は戦慄モノだった。
そこで描かれた女性は、男性とは似ても似つかない別の生き物で、見た目どころか人格も違っていた。
だが奇妙なことに、その作品の住人たちは同じ生物として扱われていたんだ。
主人公はその違和に気づいて奔走するというのが大まかなストーリーだ。
当然、その世界に違和感を覚えていない住人たちは主人公を狂人として扱い、やがてお前こそが異人であると主人公に襲い掛かってくる。
だが、まあマイナー作品のマイナーたる理由というか、全体的に構成や演出が稚拙で、最終的なストーリーも主人公は狂人扱いのままで、女性は同じ生き物ということで世界はそのままという何ともいえないオチだった。
友人と店長も同意見だったようで、満場一致でこのビデオタイトルは「ツラい」であると決定した。
だが、売り物にはならないのでそのまま倉庫に眠らせることになったが。
返品拒否されたらしい。
……性差別的ネ。