川本くんには生まれた理由があって、そのひとつは、母親なんだけど、その話はしないでおこうと思う。彼の母親のことをそんな風には言いたくないんだ。
それに、川本くんが生まれた理由は、そういうことじゃない。川本くんは、三人兄弟の末っ子で、誰からも愛されずに育った。
とにかくクラスでも浮いている存在で、何を考えているかもわからないし、そもそも何も考えていなさそうだし、
でもときおりすごく考えてるような言葉をいうので、やっぱり考えているんだろうな、という感じだった。
ある日川本くんがいったことがある。
そんなセリフを言う川本くんは、今で言えば中二病なんて言われるのかも知れないけど、僕にはそうは思えなかった。
(僕は後にあのことを知ったのだし、そのときは感覚でしかなかったけど、やっぱり何か感じていたのだと思う。)
とにかく川本くんは口が達者で、女の先生はよく泣かされていた。だから思うんだけど、川本くんが何も考えていなさそうってのは、
衝動的だったってことだけで、頭は良かったんだと思う。川本くんは、頭はよかったんだけど、どうしようもないくらいに衝動的だったんだ。
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川から上がると、そこには何もなかった。一面のお花畑?そんなものがあるなんて誰が言っていたのだろう。
本当に何もなくて、ただ、ぼくは泥まみれでぐしゃぐしゃで、ドブ底に沈んだコンビニ袋と何も変わらなかった。
空が曇っていて、雨が降っていた殊ぐらいが唯一の救いだった。
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川本くんが生まれた理由は、いくつかあるのだけど、そのどれも僕には書くことができない。
川本くんも知らなかったと思う。ただ、なんでそんなことを言い始めたかっていうと、とにかく、
知りたかったっていっても、そういうことじゃない。僕の言っている知りたいは君の言っている知りたいじゃなくて、
本当に知りたいってことなんだ。保健体育の先生が授業で話すようなことでもない。
道徳の授業で、はっぱのフレディ、なんて言ってる場合じゃない。僕の言っている知りたいはそういうことじゃないんだ。
あぁ、もしフレディが好きな人がいたらごめんよ。僕もあれは好きだ。
とにかく、川本くんもフレディは好きそうだったけど(何も言ってなかったけど)とくに僕と川本くんにとってはそれ以上のものではなかった。
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夜の水はつめたかった。淡々と、つめたかった。どうしたのだろう。
もうすぐ何かが消えると言うのに、僕はなにも感じない。冷たいだけだ。
川の水ってのはいつもこうで、淡々と誰かを飲み込んできたのだろう。
夜の光が差し込んでくる。僕にとっては、いつもと変わらなかった。
これが苦しいってこと。ううん。そっか。
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