2015-10-07

死亡確認が煩わしかった話

当方大学病院勤務の若手〜中堅医師

先週ネーベンで田舎老人病院で当直してきたんだが、その時の死亡確認が煩わしかった。

こういう老人病院当直は収入源であり安眠できる場所であるべきだが、時々死亡確認があるのでその時は起きないといけない。

12時。やっと寝付けたところで、電話がなる。

「○病棟です、低空飛行(死にかけ)でDNR積極的蘇生処置はしない)の患者さんの心拍数が落ちました」

ふむ、今日は当たっちゃったかと思いつつ。「当然家族は揃ってるよね?(心拍)止まったら教えて」

「え、あ、はい、今すぐ家族呼びます!」

嫌な予感。

少しうとうとすると、また電話

「ご家族さんいらっしゃいました!」

あ、じゃあ行きます、ってまだ止まってないの?なんで電話してくんの?

しばらく経って、また電話

「呼吸が止まりました!」

え、あなた最初DNRって言ったよね、DNRなのに挿管(人工呼吸器につなぐ)しろってこと?

「いえ、そういう訳ではないです。ただの報告です。」

家族が死を受け入れる時間なんだから周りでばたばたしないであげてよ。

おやすみなさい。

電話

アレスしました(心臓まりました)」

はいはい、行きます行きます

先月死亡確認時間iPhoneでみたらクレームが入ったので、しょうがないから国産腕時計を買った。こいつの仕事だ。

病棟到着。こいつか電話看護師は、ちょっと睨む。

「すいません、先生

お、さすがに電話が多かったことを謝るのか?ならしょうがない。許しましょうぞ。

「次男さんがあと15分で到着するそうなんで、死亡確認それからにして下さい」

そうですかそうですか、そうですよねー。見たいよねー、親の死に目だしねー。

いいですよー待ちますよー。どうせすぐ起こされるなら、僕ナースステーションで待ってます

結局次男が到着したのはそれから1時間後。

恙なく死の3徴を確認し、「○時○分、死亡確認とさせていただきます」 礼。

その後判明する、まさか主治医による死亡診断書用意なし。

延々とミミズのような文字の這う巻物のようなカルテを解読し、死亡診断書作成

看護師に渡し、「ここまで絡んだので、僕寝ずに待ってます、お見送り病院から出発)の時電話ください」




その後、電話はなかった。

時間になったので大学に戻った。帰り道の朝日が痛い。おわり。

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