先週ネーベンで田舎の老人病院で当直してきたんだが、その時の死亡確認が煩わしかった。
こういう老人病院当直は収入源であり安眠できる場所であるべきだが、時々死亡確認があるのでその時は起きないといけない。
「○病棟です、低空飛行(死にかけ)でDNR(積極的蘇生処置はしない)の患者さんの心拍数が落ちました」
ふむ、今日は当たっちゃったかと思いつつ。「当然家族は揃ってるよね?(心拍)止まったら教えて」
嫌な予感。
少しうとうとすると、また電話。
「ご家族さんいらっしゃいました!」
あ、じゃあ行きます、ってまだ止まってないの?なんで電話してくんの?
しばらく経って、また電話。
「呼吸が止まりました!」
え、あなた最初にDNRって言ったよね、DNRなのに挿管(人工呼吸器につなぐ)しろってこと?
「いえ、そういう訳ではないです。ただの報告です。」
家族が死を受け入れる時間なんだから周りでばたばたしないであげてよ。
おやすみなさい。
電話。
先月死亡確認の時間をiPhoneでみたらクレームが入ったので、しょうがないから国産の腕時計を買った。こいつの初仕事だ。
「すいません、先生」
お、さすがに電話が多かったことを謝るのか?ならしょうがない。許しましょうぞ。
「次男さんがあと15分で到着するそうなんで、死亡確認それからにして下さい」
そうですかそうですか、そうですよねー。見たいよねー、親の死に目だしねー。
いいですよー待ちますよー。どうせすぐ起こされるなら、僕ナースステーションで待ってます。
恙なく死の3徴を確認し、「○時○分、死亡確認とさせていただきます」 礼。
延々とミミズのような文字の這う巻物のようなカルテを解読し、死亡診断書を作成。
看護師に渡し、「ここまで絡んだので、僕寝ずに待ってます、お見送り(病院から出発)の時電話ください」
その後、電話はなかった。