2015-03-31

付き合った彼氏DV野郎だった

 出会ったのは三年ちょっと前。社内恋愛だった。私は派遣で彼は正社員。3歳上だけど少し童顔で爽やかで人懐こそうに笑う人だった。

男女問わず優しく人望もあった。あっという間に彼のことが好きになり親しくなれるように頑張って告白、交際。順調だった。

 付き合って半年くらいは幸せだった。優しくて話も上手で気配りに長けてる彼が私を選んでくれたことが誇らしかった。絶対に手放すものかと心に誓っていた。

 彼の部屋でささいな口論から頬を叩かれたのはそのちょっと後くらい。でも最初はかっとなった気持ちもわかる、お互い悪かった小さな喧嘩だと思っていた。

 でも、殴る、蹴る、罵倒される。自覚する間もないほど早く行為エスカレートしていった。一年前に同棲を始めてからは殺されるんじゃないかとトイレに閉じこもり鍵をかけて一晩過ごしたことも数回ある。


 今まで私はDVするような男と付き合ってる女を心底馬鹿だと思っていた。さっさと別れろよと簡単に考えていた。


 風呂場まで髪を鷲づかみにされて引き摺られ、お湯の中に何度も頭を突っ込まれて、もう別れようもう駄目だと決意しても、私よりも傷ついた顔をして殴ったことを詫びる彼を見ると決心なんて脆くも崩れ去ってしまう。


 いろんな話を聞いたから。


幼い頃に母親は家を出てしまい祖父母と父に育てられたこと。

祖父は彼を毎日のように殴っていたこと。

祖母も父も助けてあげなかったこと。


 うまくやりたいのに出来なくて祖父と同じように暴力をふるってしまってそのことにものすごく傷ついていて、嵐のような怒りが過ぎた後の彼の姿をみてると、私が今ここを出て行けばきっと死んでしまうだろう姿に、かわいそうでかわいそうで恐怖よりも痛みよりも愛しさが勝ってしまう。


 私は彼に会うまで男の人が縋るように咽び泣く姿を見たことはなかった。こんなにも救いの手を求められる体験はなかった。こんなにも私という人間必要としてくれる人に会ったことはなかった。


 だから先日入籍した。私が私の人生をかけて彼の傷を癒していきたい。

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