2014-10-14

リテラシー的にどうなのと思った話

はてなブックマーク - 『江戸しぐさの正体』重版に寄せて—— 一枚の写真から感じる日本の義務教育の「危うさ」 | 最前線 - フィクション・コミック・Webエンターテイメント

些細な問題なんだけど、はてなーがまるっきりスルーしてしまうのもどうかと思った。

試し読みhttp://ji-sedai.jp/book/publication/works/edo_02.pdf

ここのP42、「傘かしげ」に関する批判根拠として、色々気になる箇所がある。

まず、名所江戸百景を例に挙げ「雨の中、蓑傘を着た人に混ざって(略)しばしば傘をすぼめるようにして持っている。」

このあたりで引っかかったので、ちゃんと調べて見る必要があると思ってまあググった。

なんで引っかかったというと、広重の名所江戸百景のすぼめた傘の話に【大はしあたけの夕立】がまず思い出され、

いやそれは雨や風の激しさを表現する情景描写手法というのが一般的認識じゃないかとモヤモヤたからだ。

google:image:浮世絵 傘

その後すぐに検証しなかったのはホッテントリを消費するブックマーカーの性である

さてそういう訳で、和傘に関する認識が、確認のためにぐぐってみればみるほど、ちょっとおかしいなと感じてしまう。

「そして、和傘はスプリングが入った洋傘に比べ、すぼめたまま手で固定するのが楽な構造になっているのだ」

とあるが、和傘は骨が多く、水を含む和紙を使う。

のしみこんだ重い和傘(番傘)を、ずっとすぼめて手で支えるというのは重くないか?おまけに両手を常にふさいでしまう。

和傘は広げて固定して肩で支えるように使うもの、というのがしっくりくるんじゃないだろうか。

また日傘にわか雨用途と思われる、蛇の目傘は二段階に固定できる構造で、やや綴じ気味にして差せる事も無視してないか。

思うに、洋傘=スプリングという認識から、和傘と洋傘の違いを、ジャンプ傘の発明混同してるんじゃないかなあという疑いを持った。

もう一つ、すれ違いに関する記述も気になった。

和傘は雨で濡れる和紙であり、傘同士が触れ合うとお互いの骨で簡単に破れてしま欠点無視している。

いやこれ、批判対象として引用分中で「...とともに、ぶつかって傘を破らないようにする実利的な意味も含んでいた」とエクスキューズしているんだけども。

さらに、江戸路地で「傘かしげ」を行うには別の問題もある...」

の段。そもそも、江戸庶民に雨具として傘が普及してなかったのではないか?であれば、そんな問題は起こらないのではないか?

と色々気になったが、雨の中で番傘を差す、という経験がないので評価が難しいけれども、総スルーはいかんと思った話。

記事への反応(ブックマークコメント)

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