就職サイトのコラムを拝見していますと、従業員数の部分で違和感を覚えます。
というのも、彼らの思い描いている中小企業像が中企業以上を意識した論題なのです。
従業員数500人以上資本金1億円以上のような会社を彼らは中小企業と言っているのです。
間違いではありませんが、ヒューマンリソシアや学情等が出している中小企業という認識と一致しません。
こちらは従業員数50人以下から100人規模を指し、資本金も1000万円以上5000万円以下であるため、生の中小企業像がイメージできるのです。
よく雇用適正のミスマッチが叫ばれますが、総研が書かれるような会社像では求職者のイメージとかけ離れているため当然起こります。
また、適性が叫ばれつつも実際には適性どころでない仕事の現状があります。
中小企業では、とにかく現場主義であり使える人材である実戦タイプに沿った求職者を求めます。
しかし、大半の求職者はこの、現場主義に不安を感じるはずです。右も左も分からない中にいきなり組み込まれて適性なんてあるはずもありません。
現場主義の中小企業のイメージが、総研にとって非現実的であることは彼らが中小企業の実情をデータ上でしか見ていないためです。
データ上、つまり経常利益、売上高(営業利益)、年間推移や会社規模だけを見てさも見て来たかのような事を書いているのに過ぎません。
中小企業は、どの業界でも現場で何とかする、営業職のそれであり、事務職ですら営業の片棒を担がなければなりません。
にもかかわらず、実際中小企業はその様子を隠そうとするため実情が分かりません。
隠す理由は、中小企業はこの不況下で常に火の車(赤字経営)であるためです。本来人を雇う余裕がなく、あっても即戦力を求めるのはこのためです。
そこが総研には分からないから、こういった不況の波にとらわれない、ほんの一部の黒字経営の中小企業を対象とするのです。
さもたくさんの人を面談して決めて行こうという姿勢で以って採用活動をしているのだ、といった空気を漂わせていますが、現実的にこうはなりません。
いかに中小企業のイメージとギャップを解消できるかで、雇用適正のミスマッチ如何を問う事が出来るのですから、順序が全くなっていません。
机上の空論とはまさにこの事ではないでしょうか。