2013-08-28

妹が留学したいと言ってきたことがあった(添削版)

どのくらい貯金があるかを聞かれたので、二百万と答えると、

念の為に二十万くらい残してあげる、それだけあれば十分だよね」と言い放って、

自分にとっていか留学必要かを語り始めた。

他国宗教や慣習について興味があると言う。

それならと、私が体系立てて教えてあげたら、妹は怒り狂った。

「お前はなんの権利があって私に説教するんだよ!」

実は、教育一家我が家において、妹だけが異端なのだ

たとえばみんなで政治の話をしていても妹だけが話に加われない。

私たちにとっては、言い方は悪いが「馬鹿な子ほど可愛い」というもので、

その成長を温かい目で見守ってきたつもりだったが、

彼女自身は酷い劣等感を覚えていたのに違いない。

「いつもそうだ! お姉ちゃんは私を見下して!」

普段末っ子らしく暴君じみて傲岸な妹の、その目に涙が見えた。

私は立ち上がって、その小柄な身体をぎゅっと抱きしめた。

「ごめん、せっかく自分勉強しようとしていたのに」

私が知っている妹は、自分から海外へ出ていこうだなんて思いつきもしない子だった。

そうか、いつのまにかこんなに大きくなっていたんだね。

「……っ、おねえちゃんっ!」

妹も強く抱き返してくる。

本当に優しい子だ。

二十万というのも、ただ金銭感覚に乏しいだけ。

彼女が心からこちらのことを思いやってくれていることは分かっているのだ。

「ごめんね……」

「ううん、私こそ……」

互いに抱きしめ合いながら、私も妹もすっかり涙声だった。

それからどうなったかって?

いえ、一銭も貸してないのでお気になさらず。

http://anond.hatelabo.jp/20130828124809

記事への反応 -

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん