はてなキーワード: 緒方拳とは
20歳の頃、黒い服ばかり着ていた。
モノトーンのファッションが流行していたこともあって、黒い服は無難な選択だった。
黒を中心にグレー、白などをあわせて少しおしゃれな大学生を気取っていた。
そんなある日、確か雑誌の表紙だったと思うが、全身黒い服をまとった緒方拳さんの姿を目にした。
黒で統一しながらも、質感の違う黒を見事に組み合わせて着こなす、その姿に私は釘付けになった。
当時、緒方さんは60歳くらいだっただろうか。髪は全体的に白くなっていたが、経験と自信とほんの少しの茶目っ気を感じさせる彼の魅力を最大限に引き出しているのは間違いなくこの黒い服だった。
これだ、と思った。
これこそが自分の目指すべきスタイルだと、私は天啓に打たれたような気持ちになった。
と、同時に思った。
これからずっと死ぬまで黒い服を着続けるのだろうか。それはそれで何かつまらない。
そうだ、黒い服は自分の中の北極星にしておこう。昔の船乗りが道標としたように、自分も道に迷ったときはこの黒い服を思い出したらいい。そして年齢を重ねた頃に戻ってくればいいのだ。
こう考えると、今、黒い服を着ていることがなにやらもったいないようなことをしている気持ちになってきた。どうせいつかは黒い服を着るのだから、今は様々な色合いの服を着たほうがいい。
こうして、私のクローゼットにはベージュやカーキや紺の服が徐々に増えていった。一方、黒い服はどんどん減っていき、やがて一枚もなくなった。
今、私のクローゼットは赤や緑や黄色の服で溢れ返っている。先日は赤地に白のストライプのスキニーパンツを古着屋で買ってしまった。
夜空を見上げても星の姿はどこにもない。
目に入るのは色とりどりのネオンと
いやほんと探す気ないんだと思うよ。
探す気ある人なんてほんとレア。
緒方拳が亡くなるわりとちょい前のブログで、ブリオーニだかベルベストだか忘れたけどそこで服買ったみたいなことが書いてあって、この人わかってるなあと思った。でもわかる人少ないんだよね。
ちゃんとクラシコイタリア協会に入ってるとこの服は、入ってないとこのやつ(アルマーニとかそういうやつ)とはもう全然違うんだよね。タラバガニとカニかまぼこくらい違う。例えかにかまぼこの方に高い値札がついてても。
金持ちでも、基本的に探す気ないし、調べる気もないから、なんか聞いたことのある高いやつを買っちゃったりして、金ない人はその辺で買っちゃったりして、で、どっちも「調べたことない人が陥りがちなパターン」に陥って(オタクがバンダナミリタリーみたいなもの。「調べない人」というのは金銭の有無にかかわらずパターン化した行動をとる)、結果似た感じになる。
近いところでは、日本で買われているインコの97%の名前が「ピーちゃん」もしくは「ピーコちゃん」であることなどもそう。「97%」は適当です。そんくらいってこと。
あと子供のほとんどは「重いものと軽いものなら重いものの方が早く落ちる」と誰に教わったわけでもないのに勝手に思ってるのもそのパターンかも。