転職した先では仕事がうまく行かず。周囲からも浮いている感じで、諦めとしっかりやらなくてはの間で揺れ動いている。うまく行かないから時間がかかるし、ストレス度も高い。徐々に体調も悪くなって追い詰められている。
仕事に時間・意識を取られると家庭もうまく行かない。帰ったら自分の歯磨きとかお風呂とか後回しにして、なんとか家事育児をやり過ごす。お互い疲れているから接点が少なく、夫婦の会話も減った。
会社からの帰り道、電車に乗ったちょうどその時。小学生2人組が席から下りて降りて行った。ああ、休める、と座ろうと移動したそこに手袋。多分、あの小学生。いや、その前からあったかもしれない。面倒。別の場所に座ろうか。でも、困るか。
なんて悩みながら手袋を取って、とりあえず振り返る。降りて行った小学生はまだホームにいた。手袋を高くあげて見せる。その動きに小学生も気づく。そこでドアが閉まった。
どうしよう。余計なことしたかな。次の駅で待つ?どう伝えよう。と思っていたらドアが開いた。駅員さんが見ていたのかな。手袋を渡したらその小学生は友達のほうに勢い良く「ねえ、忘れてるよ」と言った。やっぱりあなた達の手袋だったか。
全体的には良くないけど、この一瞬は悪くなかったよ。
まあ、偽善だけどさ。