学習塾禁止令は少子化対策のためのものではないはずだ。むしろ中国は人口をもっと減らしたいに違いない。
上流層は現状の地位を維持したいはずなので、子供に勉強を必死にさせずに大学へ進学させたいのである。
そこで学習塾禁止ということにすれば、大学の受験戦争の社会的風潮は収まるという発想である。
上流層は実は競争などしたくないし、競争によって地位を奪われるのも嫌なのである。
言い換えれば、エリートの早期選抜性を導入したいというのが中国の狙いである。
「早期」とは、親の地位によって子供の地位が決まる仕組みのことを言う。
親の地位が高ければ余裕を持って子供を勉強させられる。それ以外の貧民が必死に勉強したら競争が激化して困るというわけである。
貧民は馬鹿でいてほしい。貧民の人口は減ってほしい。それが中国の本音ではないだろうか。
これは人口が多すぎて管理が難しくなった社会で起こっていることであり、名目GDPが上がるからといって人口を増やせば一人あたりの幸福度は下がるに違いない。