要は春になると眠りが心地よくて、
なかなか起きれなくなってしまう。
くらいの感じで捉えている。
確かに春になると冬と比べて、
眠気がなかなかとれない感覚がある。
ただそれは春の眠りが深いという意味ではない。
むしろ眠りの質で言えば冬のほうがより濃密だ。
これは環境にも左右されると思う。
外の身体が冷え切る寒さと、
ガスファンヒーターから吹き出る風により温められた部屋の暖かさ。
そこから始まる、冬特有の深奥な睡眠からもたらされる摩訶不思議な夢たち。
意識の底に溜まった無意識の深層に潜り込むことでしか見ることが出来ない夢がある。
そこに到達できるには条件がある。
その寒気に抗うべく強い熱風が勢いよく吹き出て部屋を温めてくれていること。
そのときに私は深く深く奥へ奥へと沈降しそのときに見るべき夢を見るのだ。
そんな眠りを終えた日の朝。
もちろん起きるのは難しい。
でも一度、起きてしまえば、
頭はひどくスッキリとしている。
春にはそういう風にはならない。
多分、眠りが冬に比べて浅いのが原因だと思っている。