今話題になってる、間違った時に「嘘ついた」というやつ。
俺はあれが大嫌いだ。
間違いは嘘ではない。
当時俺は機械系の工業高校に通っていたが、そこで教鞭を執る教師の中にこれを頻繁にいう教師がいた。
彼は当時でも還暦近かったので、若い頃から使ってたとすると半世紀以上歴史のある表現なのかも知れない。
彼が嘘ついたと言うと生徒は、嘘ではないですよねと訂正したり、ただ冷笑した。
周りの生徒からは誤った言葉を使い続ける面白おじさんという評価だった。
生徒同士の雑談であの教師の話が出ると、大抵「嘘ついたの人」という認識が全学年共通であった事が確認できるほどだった。
俺はそんな彼の、誤りに固執し、訂正されても嘲笑われようとも変えないパッシブな頑固さに強い嫌悪感を持った。