より良い大学や会社に入って、可愛いくてかっこいい彼氏彼女を手に入れて、自分の美容にも気を使って、勉強や仕事ができて、満足な収入。
全ての良い物は、比較対象として下に位置する劣るものが存在しないと成しえない。
だから良い暮らしを目指そうとするとき、どうにも後ろめたい思いがして足に絡みつく感じがする。この行為は同時に劣るものを生み出すことでもあるから。
うまくいってる側がそうでない方に強い口調で「お前が悪い」と決め付けること。
ちょっと前に話題になった仕事が出来ること至上主義だったり、自己責任論の話になるとよく見かける。
前からなんでそんなことをするのか不思議だったけど、今は割とわかる。
これは良い暮らしをしてる側の防衛手段なんだ。後ろめたい思いをしたくないから。自分が苦労して何かを手に入れたことが、苦しみを生み出していることを飲み込みたくないから。
最近はずっとこういう事を考えていて、何か、こう、良い暮らしを目指そうとするとすごく力が抜ける。俺はもっと後ろめたくない、取り繕わずに喜べる暮らしをしたい。だから"良い"悪い"の評価軸から外れた暮らしをしたい。