都会に翻弄されながら暮らす少女のセンチメンタルな上京劇に、美しくも恐ろしい悪夢が絡み合う。
前半は、作中の時代に活躍していたP・ハイスミスやシーリア・フレムリンを思い出させる青春サスペンスな内容だったが、
ショウビズ界の不潔な裏側が明かされたところから一転して、男性作家らしい重い展開に突入する。
上等なサスペンス小説に比肩するシナリオも素晴らしいが、鏡を使った二人のヒロインの演出が美しくて楽しかった。
ヒロインの祖母の派手なルックスや、ほんのひと時だけ映るヒロインの巨乳な肌着姿やその後の巨乳を際立たせる服装など、
オープニングのシルエットダンスの時点で名作の予感がしたが、間違いなかったよ。