二人で電車に隣同士に乗っていた
知っているようで知らない路線
久しぶりに会った人は割り切ったようだった
あの時とは違うけれど、あの時と同じようでもあった
あの人は空いた向かいの席に移った
私は私の隣にいたくないのかと聞いた
あと一駅、私は先に降りる
とても現実的だねと私は言った
私も習いたいな
私には無理か
あと一駅
ふと気づくとあの人は消えていた
何故?
彼らは私の問いに答えない
私のことは見えていないみたいだ
私は一瞬で気を失い、乗り過ごしていたようだ
あの人にさよならを言えなかった
あの人は起こしてくれなかった
呆れてしまったのかな
こういうところかな
急いで席に散らばっている荷物を掻き集める
なんでこんなに纏まって無いんだろう
なんでこんなにだらしないんだろう
私はあの人にあなたは今でも最も好きな人であるさようならというメールを送りたいと思った
電車を降りる
行き先の表示を見る
わかるようでわからない
ああ、あの人との全てが終わったのだと私は思った
とりあえず私は起きようと思った
畳の上は寒い
まだ陽は登っていない
深夜5時半
冬の朝