2020-11-28

ツァラトゥストラはかく語りき2001年宇宙の旅

ツァラトゥストラ説話の中で精神の三段の変化が述べられる。重荷を背負って砂漠あゆむ駱駝に始まり獅子、そして幼児という変化ある。キューブックの2001年宇宙の旅でも、冒頭でツァラトゥストラが流れ、宇宙船船長幼児になって終わるので、ニーチェ作品意識していることは間違いない。では駱駝は類人猿に、獅子人間代表されることになる。ではあのモノリスは?三段の変化の章で「だが、この上もなく孤独砂漠で、今や第二の変化が起こる。精神はここで獅子となる。」と述べられ駱駝が獅子に変化するのだが、特にモノリスのような重要なきっかけは登場しない。キューブリックはシャイニングでも永劫回帰示唆するなどニーチェ思想を取り入れているように思えるが、この映画自体サイエンス・フィクションなので、厳密にニーチェ議論を反映しているわけではなさそうだ。ニーチェ思想示唆れい作品には、存在の耐えられない軽さやサタンタンゴがあるが、どれもその思想を取り入れたはいものの、よくわからない作品になっている。謎を孕んだ哲学書を題材にすることで、作品に深みを出そうとしているのかもしれない。

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