無期懲役の判決が下ったとき、バンザイして控訴しないと言ったそうだが、
この先何十年生きるか知らないけど、君の居場所も体験できる事も、もう変わる事はないよ。
終戦から70年間、社会が移り変わり、過去を想像する事すら難しくなるほど、色々な新しい事が世の中を塗り替えて来たけど、
この先どんな新しい事が出てきても、君がそれを体験する機会はない。今と同じ壁だけが君の全てだ。
今いる場所、今見ている壁とほぼ何も変わらぬ光景をただ見続けるのが君の何十年だ。
おめでとう。何十年後かの臨終の床にある君。2018年の君が望んだ生活はどうだったかな?
俺はきっとこの先、新しいテクノロジーやエンターテインメント、楽しい時間があるたびに、どこかでふっと、それらを体験する事が決してない君の事を思い出すだろう。