それは事実だ。
だけど、その分悩むことも増える。
沢山の選択肢を持つことは、その選択肢に縛られることにも繋がる。
「自分はたくさんの選択肢を持つことができた。だから「よりよい選択」をしよう」と思うと、一定の選択肢に固定されてしまうのだ。
それは難関校であったり、大企業であったり、より地位の高い職であったりする。
だって知ってしまうから。良い大学に入り、よりよい就職口を手に入れている人のことを。
広い世界を知ってしまったがゆえに、きっと幸せになれるはずだと、よりよい選択をしようとする。
適性を考えず、よりよい選択肢を選んでしまい、のちのち後悔する人も少なくはない。
彼らが幸せか、幸せでないかはわからない。
本当は、たくさんの選択肢を得て、そこから自分のやりたいことを探すことが出来、更にそれを叶えることができれば1番良いことなのだろう。
しかし選択肢が多いがゆえにほんとうにやりたいことを見落とすこともあるのだ。
焦がれる選択肢を泣きながら手放し、時には叶えた人を横目でみて、臍を噛み、うまくいかない日常を生きる。
こんな選択肢、初めからなければ、知らなければ、幸せだった。そんなことも時には起こりうる。
もしかしたら、何も知らずに、流れるまま底に揺蕩っていたほうが楽なのかもしれない。幸せなのかもしれない。
どちらが良いのか私には分からない。