Vtuberをリアリティーショーと批判する人はそこがわかっていない。まず最初に2Dの立ち絵があって、そこに魂となる中の人が入る。この段階ではまだキャラクタは固まっていない。同僚とのやり取りとか、視聴者のコメントを通じて、徐々にキャラが固まっていくのよ。具体的に言えば、中の人は自分の性格や振る舞いのうち、どの部分をどのくらい増幅すると、受けのいいキャラになるのかを模索する。
人気のあるVtuberでも最初からあのキャラだった人は少ないはず。ぱっと思いつく限りだと、湊あくあ、兎田ぺこら、笹木咲とか、このへんの人たちは試行錯誤して今のキャラを固めていったと思う。
リアリティーショーだと、視聴者や同僚がキャラの構築に手を貸さずに、出演者本人の顔や性格、振る舞いを他の人に消費されてしまうでしょ。Vtuberとはそこが違う。
初音ミクがただの一枚の画像だったのに、ネギを持ったりとか、そこにいろんな属性が付加されていったのと、Vtuberがやっていることは似ている面がある。ただ初音ミクはソフトウェアなのに対して、Vtuberは中の人がいて視聴者との関係が双方向になる。ここが新しい。
人は人と関わる時に必ずペルソナ(仮面)を被る。人には「親の前の顔」「恋人の前の顔」「友人の前の顔」「職場の顔」などがあり、それぞれを使い分けて生きている。 しかし、それら...