だがちょっと待って欲しい。
カツはコロッケの上位互換なのだろうか? もしカツが「質としては上位互換だが、価格的に代替できない」というだけなら、問題はどうやってカツをコロッケ並みの価格で提供するかということになるのだが。
これは、すなわちコロッケとは「肉が高価だった時代に、ミンチにした屑肉の味を染ませたポテトをほぼ廃棄物に近い肉脂(ラード)で揚げることにより、満足感あふれる一品にしたもの」である、という仮定に基づく。もし、仮に出発はそうであっても、もはやコロッケはカツで代替できないアイデンティティを備えるようになっている、というなら、改めてコロッケを再定義することが必要だろう。
ちなみに、同様の事情をもつのが「肉が高価だった時代に、脂多くて安い豚バラの薄切りから出た脂でいためたキャベツを食味を増すための小麦粉・卵で盛って、グレービーソースに似て香辛料多めのソースで味付けすることによって満腹感あふれる一品にした」お好み焼き、である。その場合、お好み焼きの上位互換はステーキということになりそうだが、こちらはもはや価格だけの問題ではなくなりつつあるようにも思う。実際、大体のお好み焼き屋のお好み焼きの値段は、そのへんのチェーンステーキ屋のステーキと大差ない。
コロッケという概念そのものを過去のものにするような上位互換の革新的イノベーションは起こらんのやろか? たとえば「そばがき」がメインやったそば粉料理から、「蕎麦切り」が誕...
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