古墳とは、その地域の有力者でカリスマ性を持っていた人が奉られたところだから、邪念が少ない。
埴輪は古墳の埋葬品だから、いまいち人の思いが薄いのだが、土偶は誰かの病気や怪我を治すおまじない、無事出産を心から願う気持ちや死産を悲しむ気持ちが込められている。そこに込められたものは相手への愛情。これは時代が変わっても普遍的。
ただし、一体だけ吐き気のする土偶に遭遇したことがある。何かの恨みで人を呪い殺す道具に使われた土偶。土偶も散々である。
誰かを気遣う気持ちは心地よいものであり、時を越えても綺麗なものとして尊重される。