犬を飼えば結婚できなくなると言われているようだが、それでいい。結婚と子育ての穴埋めになってくれるなら、むしろ素晴らしいじゃないか。
ネットの見過ぎだろうか、結婚には恐怖しか感じない。どんなにまともに見える人でも、家庭というブラックボックスに入ってしまえば鬼にも悪魔にも幼児以下にもなる可能性があると思っている。もちろん、私自身も迷走する可能性があるのだろう。どちらのケースも、目の当たりにしたくない。
子どもが欲しい、小さいものを守り育てたい、という願望は確かにある。だが、自分のそんな欲望のために子どもを"作る"なんてとてもできない。物じゃないんだから。
保護犬なら、すでに生まれてしまった命だ。その命を救える。(そもそも生まれさせないなら良いと思うが、一旦生まれたものを殺すのは良くないと考えている。)
猫と違って犬は野良で生き延びるのは難しい。なんの後ろめたさもなく、いい気分で、側にいてもらうことができる。
子どもと違って犬なら、私よりも先に死ぬことがはじめから見えている。だから失う心構えもできる。不慮に子どもを失うことほどつらいことはない。ペットなら、見送るまでが飼うということ。
保健所ですぐに殺されるかもしれなかった犬を、5年10年余計に、楽しい思いをして生きてもらう。その5年10年、私も楽しい思いをさせてもらう。
35歳で婚活もしていない人間に「40過ぎで結婚して子どもを作る人もいるし諦めなくていいんじゃないの」と頓珍漢な励ましをしてくる人がいる。5年10年経てば流石にそんなことも言われずに済むようになるだろう。