「あ、それ!懐かしい足が」マリオRPGに登場する『マロ』というキャラクターの等身大ワタアメを作るのが将来の夢だと語っていたO君は人間圧縮装置に吸い込まれ、取出し口からガチャの容器に入ってガコンと出てきた。スーパーマリオRPGは任天堂とスクウェア(現スクウェアエニックス)が共同開発したスーパーファミコン用ソフトで、購入特典としてスーパーファミコン本体が4000円お得になる割引クーポンが付属していた。当時スーパーファミコンをまだ所有していなかった自分は、O君から譲り受けたスーパーファミコン本体が4000円お得になる割引クーポンでハード円熟期のスーパーファミコンを購入したのであった。「わさビーフ2枚入ってる!!!」圧縮され何オクターブか高い嬌声がガチャのカプセルから鳴り響く。ストロボはまだ4回使えるので、多少しくじっても帰れなくなることはない。「これ借りられますか?」「醤油は持参してください」「バリバリ最強ナンバーワン!」脳の裏側から念仏が鳴り響く。だんだんだんだん念仏の音量が大きくなって、気が付くと月曜日の朝が目前に迫っていた。泣きたい。