■「大人になればわかる」

我ながら自分は面倒くさく、執念深い子供だった。

アホみたいな事で悩んでいる大人に言う「○○すれば？」に対して返される「お前も大人になればわかる」という言葉が死ぬほど嫌いだった。

子供でもわかる簡単な解決策を実行しない、そのくせ実行しなかったその負担は子供である自分にも降ってくるんだから納得できるわけがない。

言葉通りなら子供である自分がどれだけ解決策を見つけたとしても子供である以上「わからない」んだから理不尽極まりない言い分だ。

もちろん大人が子供を下にみて碌に相手をしていないからこそ出るテキトーな言葉であることは子供でもわかっていた。

しかし、わかっていても頭の中はモヤモヤする。

そして、自分は執念深い子供だったので出来る限り「大人になればわかる」事柄を記憶し続け、実際大人になったとき本当にわかるのか確かめることにした。

あれからウン十年、大人になった自分が過去の「大人になればわかる」と言った大人に言いたいことは

「大人になってもわかんねえよ。どれもこれもただお前の都合が悪かったり性格の問題でやらなかっただけじゃねえか」という言葉。

そういう結論がでた今になってもモヤモヤしてるのは、それを言い返す大人はどこにいるのかわからなくなっていること、今更子供の頃の話を大真面目に蒸し返すのが大人げないことだとわかっていることにある。

勝ち逃げもいい所だ。

なぜこんなことを書いているかといえば、今これを見ている子供へ同じことを言った大人たちが少しでも気に病んで罪悪感を持て、というやつ当たりで書いている。

Permalink | 記事への反応(5) | 12:06

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